Nikkei Asian Reviewは7日「中国がアジアの科学技術のリーダーに」と題した記事を掲載した。近年、日本の科学者は度々ノーベル賞を受賞しているが、科学技術分野での日本の国際的地位は驚くべきスピードで低下しており、今まさに中国に抜かれようとしている。日本の科学研究の衰退は多くのデータが証明する。一方で、中国は科学研究に引き続き注力しており、幅広い分野でブレークスルーを実現しているという。
中国は現在、科学技術の世界で最も勢いのある新興国だ。世界のスーパーコンピューター最新ランキングでも明らかだ。11月に米国ユタ州ソルトレークシティで開催されたスーパーコンピュータ最大の学会「SC16」で、スーパーコンピュータの性能ランキング「TOP500」が発表された。ランキングは年2回発表されるが、中国は2013年より8連覇、2016年は1、2位を独占した。スーパーコンピューターは先端科学の高度な演算を必要とする研究に不可欠なため、その実力は国家の科学技術の水準を反映するものと見なされている。
日本文部科学省直轄の科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の統計では、世界で引用される回数の多い科学研究論文上位1%のうち、中国の論文が15.7%を占めており、その比率は米国に次いで2番目だ。10年前のランキングでは、中国は10位、占有率は3.4%にとどまっていた。当時、日本は5位、占有率は6.4%だったが、現在は12位、5.5%まで低下した。当時の専門家は、日本は論文の質では依然として中国より優れていると指摘。しかし、関連の重要な学術定期刊行物の論文数では、中国が躍進した一方で、日本は停滞しているという。