中国人民銀行参事で調査統計司の元司長である盛松成氏は、独占取材に対し、「安定した人民元相場を維持し、一方的な元安傾向を打破することが当面の急務だ」と述べる。中国は米ドル換算での対外債務が高い。ドル高になると人民元為替レートが下振れする見通しが強くなり、短期外債の償還レートは高くならざるを得ない。そのため為替レートが安値になる見通しが強化される。2015年末までに、中国の短期外債は9206億ドルに上る。
野村中国のシニアエコノミストである趙揚則氏は取材に対し、中国は為替レートの他にも、来年第2四半期にインフレ懸念があると指摘する。「PPIは5%を超える可能性が高い。CPIは3%以上になるだろう。しかし緊縮政策をとれば国内経済に大きな影響を与えかねないし、さらには資産価格に大きな影響を与えることにつながる。中央銀行はこれらのことに考慮すべきだ」。
米ドルは最近、大型の取引が続いている。しかしピークには達していないようだ。このことも、人民元の下落見通しを加速させている。12日のオンショア人民元レートは対ドルで6.9152元。前日より147ポイント下落となった。
これらのことは、全世界が「強いドルの衝撃波」から避けられないことを示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年12月16日