英メディアは、11月の中国工業経済は底堅い結果だったが、これによって、債務増加の抑制に注力する余地を海外政策策定者に与えたとした上で、インフレ傾向がFRBの利上げの背景にもなったと分析している。
英紙「フィナンシャルタイムズ」ウェブサイトは12月14日、「中国経済の力強さ FRBの利上げに説得性」と題した記事を掲載した。年初こそ弱含みだった中国経済は、活況な不動産市場と政府のインフラ投資によって下半期には製造業を活況化させている。その結果、世界第2位の経済大国がハードランディングするという心配は後退した。
工場がこぞって稼働率を上げる中、中国国家統計局は12月13日、11月の発電量が前年同期比で7%増だったと発表した。中国経済のデータに懐疑的な人々は、発電量データが信頼できる工業経済活動の指標だと考えている。データによると、2016年11月、一定規模以上の工業増加値は同6.2%増、前月比で0.1ポイントの増加だった。これは前年同期と同じ伸び率である。
住宅とインフラの建設が、石炭や鉄鋼、石油などのコモディティ商品のニーズを推し進め、価格を上昇させている。コモディティ商品の値上がりを示すものとして、PPI(生産者物価指数)が10月の1.2%から11月は3.3%に上昇。5年ぶりの急上昇となっている。生産者物価の動きが劇的に変化してきているのだ。