中国対外投資の質も穏やかに向上している。張向晨氏によると、これまでの中国企業の対外投資は労働集約業務やOEMに集中してきたが、現在では多くの企業が投資やM&A、合資の方法を通じて販売ネットワークや研究センターを作るなど、世界資源の利用能力や調整能力を大きく高めている。「多くの国際商業会議所の会員企業が、発展途上国だけでなく先進国の市場で存在感を高めている」。中国企業の対外投資はプロジェクトの受注、建設から始まり、現在では全産業チェーンに広がっていると同氏は指摘する。
対外貿易と投資構造に積極的な調整が見られ、それが世界経済統治における中国ビジネス界の発言力を高める結果になっている。于健龍氏は、「より多く国際的ビジネスルールや慣習の制定に参与するため、また世界第2位の経済大
国として世界一の貿易大国に相応しい発言権を獲得するため、中国国際商業会議所は2015年、中糧集団の宇高宇董事長と中国銀行の張燕玲元頭取を、国際商業会議所執行役員に推薦することに成功した。国際商業会議所の28名の執行役員のうち2名を中国の役員にすることができたのは歴史的な快挙である」と述べる。