金融政策の中立的な立場がますます強くなっている。「経済参考報」が業界筋に対して行った取材によると、2017年の中央銀行の金融政策は、依然として「安定かつ健全な路線」を維持するものの、その言葉の意味合いにはっきりした変化が生じているという。政策を検討する際、債務圧縮、バブル抑制、リスクヘッジが重要なポイントになる。
業界筋は、来年の広義マネーサプライ(M2)の目標増加率は12%前後となり、金融調整政策に使われるPSL(Pledged Supplementary Lending、担保補充貸出)やMLF(Medium-term Lending Facility、中期貸出ファシリティー)が発揮される機会が増えるとの見方を示している。
先ごろ開催された中央経済工作会議でも明確なシグナルが打ち出された。「金融政策は安定と中立を維持し、流動性の基本的安定を維持する」。会議ではまた、金融リスクの防止をこれまで以上に重視し、一連のリスク要素を処理して資産バブルの抑制に注力することが提言された。
国家金融発展実験室の李揚理事長は、「中央経済工作会議での金融政策の提言では、安定の後ろに「中立」の2文字が付け足されている。これは明確な調整局面に入ったことを意味する。重要な目標は経済の安定維持。しかし、資産バブルやリスクに関する案件が経済安定を揺るがす要素となってきているため、このような状況を抑制する必要があるのだ」と述べる。
昨年の金融市場リスクが主に「株式市場のレバレッジ」だったとすると、今年の金融リスクは「債券市場のレバレッジ」だったと言い表すことができる。