トランプ氏は大風呂敷を広げ、自らの政権運営により米国を「より偉大」にすると述べた。製造業復興は、その重要な足がかりだ。中国企業は本当に米国に吸収されてしまうのだろうか。
表面的には、トランプ氏は「メイド・イン・アメリカ」に米国・世界市場を取り戻させようとしているように見えるが、これらの大言壮語は実際には米国の雇用問題を念頭に置いている。一部の米国人は「ゼロサムゲーム」の発想により、米国の雇用問題を中国に直接結びつけている。中米の貿易額が拡大し、中国人の雇用が増えれば、米国人の雇用が減るというのだ。このような考え方をする人から見れば、米国の雇用問題は、いかに中国から米国に戻すかという問題になる。
真の問題は、米国人が中国人の雇用を奪えるか、仮に奪ったとしてもそれをしっかり確保できるかということだ。
自然な成り行き
資本は低コスト・高収益の所に流れる。これは基本的な法則だ。米国企業の間で先ほど生じたアウトソーシングブームは、根本的に論じると資本の本質によるものだ。米国資本にとって、収益を最大化できる未来の分野とは何だろうか?現状を見ると、答えは金融業になりそうだ。米商務省の統計データによると、金融業の2011年の産出額はGDPの8.4%を占めた。50年代は3%にも満たなかった。また米国の金融機関の利益は、全企業の3割以上を占める。