アジアが有利
製造業の振興は今日、多くの国で政治の流行になっているが、これは政治の流行にすぎない。人々は通常、税収、投資、人件費など、抽象的なデータに注目しやすい。これらの要素はもちろん重要だが、製造業の発展はこれだけでは不十分だ。勤勉で、規則を守り、こだわり抜く精神も同じく不可欠であり、より重要でさえある。これは政治家の大言壮語で実現できるものではない。
米国のコミュニティに足を踏み入れたことのある中国人ならば、1日や2日だけでも、米国がかつての製造業を取り戻すことは永遠に実現不可能な夢であることを理解するだろう。自国の30年以上に渡る製造業の台頭を実感している中国人ならば、売り場で買い物をし、街頭をぶらつき、公園で憩うさまざまな肌の色をした米国人(特に20・30代の若者)の様子を見ても、彼らを生産ラインの近くで座る無数の労働者と結びつけることはできないだろう。米国人を生産ラインに戻し、中国、ベトナム、カンボジアなどの労働者と同じように働かせるのは、もはや不可能だ。今日の米国では、肉体労働をしたがり、一定の技能を持つ若い労働者を見つけることができなくなっている。
米国の製造業、深刻な人材不足に直面
米国の製造業の就業者数は2000年以降、全体的に減少傾向を示している。