近年、世界経済はきびしい調整局面にあり、欧州、米国、日本など主要経済圏の世界経済に対する成長けん引作用は明らかに弱まっている。インドなどは比較的ハイペースで成長しているが、経済規模が大きくないため、世界の経済成長をリードするには至っていない。また、ブラジルやロシアなどは、未だに成長が停滞したままだ。一方で、中国は対外開放を加速し、世界経済との融合を深めつつある。中国は近年、経済発展が「新常態」に入り、伸びがやや鈍化しているものの、中高速成長を維持しており、成長速度は世界の主要経済国のトップ水準にある。中国の世界経済成長への寄与度は年平均で30%を上回っており、第一の成長エンジンとなっている。
「十二五」(第12次5カ年計画、2011-2015年)計画期間中に、中国の世界経済成長への寄与度は年平均で30.5%(2010年米ドル不変価格)に達し、世界一に躍進した。中国の寄与度は、「十五」(第10次5カ年計画、2001-2005年)、「十一五」(第11次5カ年計画、2006-2010年)計画期間の14.2%から16.3ポイント上昇した一方で、米国とユーロ圏の寄与度はそれぞれ17.8%と4.4%だった。2011年から2015年までの寄与度を年度別に見ると、中国はそれぞれ28.6%、31.7%、32.5%、29.7%、30.0%、米国はそれぞれ11.8%、20.4%、15.2%、19.6%、21.9%だった。