税関総署の黄頌平報道官は同日の記者会見で、2016年の世界経済も世界金融危機後の調整局面にあったと指摘。景気回復の足取りは鈍く、国際市場での需要も乏しい上、中国の対外貿易は不確定要素が大幅に増え、下押し圧力も強まるなど、総じて貿易情勢は複雑かつ厳しいものだったと述べた。
一方、国による貿易の安定拡大に向けた施策が徐々に奏功したことを強調。2016年第1四半期の輸出入総額は大幅な前年割れとなったが、第2四半期からやや落ち着きだし、第3以降はプラスに転じるなど、四半期ごとに上向きがみられ、通年では「前低後高」の勾配型となったと評価した。
こうした伸び率の回復のほかに、取引形態や市場の分布、取引主体などにも最適化や改善がみられたことを挙げた。取引形態別では、「一般貿易」が前年比0.9%増の13兆3900億元と、輸出入総額全体に占める割合が若干上昇。パキスタンやロシアといった、中国が国策として進める新シルクロード経済圏構想「一帯一路」沿線国への輸出が増加。民営企業の輸出も引き続き首位の座を維持したことを挙げた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年1月16日