「自転車メーカーは皆、我々の大量の注文を受けて度肝を抜かれている」。13日に開かれた座談会で、レンタルサイクルサービス「摩拜単車」(Mobike)創業者の胡■▲(■は王偏に「韋」、▲は火偏に「韋」)の一言は、李克強総理の興味を引いた。
李総理はすぐに質問した。「メーカーはどこにある?現在の生産量は?」
「無錫にあって、毎日1万4千台の自転車が生産されている」と胡氏は答えた。「我々は主に、運営方式の革命に頼っている。『インターネット+交通ツール』の方式だ」
「その通り。受け入れるモノがなければ、バーチャルだけあってもダメだ。何と言ってもオンラインで自転車に乗ることはできない」と李総理は笑って言った。
李総理が開催したこの座談会は、「政府活動報告(意見募集稿)」に対する専門家や学者、企業関係者の意見や提案を聴取することがねらいだ。座談会には、胡氏とそのほか6人の専門や分野の異なる専門家と企業家が招かれて参加した。
胡氏に対する李総理の細かい質問は一貫して、仮想経済と実体経済、新旧の原動力の転換にかかわるものだった。李総理は、自転車の製造材料に関心を持つ一方、採用されたインターネット技術についても質問した。「Mobikeは経営方式の革命という印象があるが、その土台はやはり自転車で、実体経済の下支えを必要としている。逆に、実体経済も、サービスの変革によって引っ張られる必要がある」と総理は指摘した。
このスマート技術を使った自転車シェア企業が一年も経たないうちに80万台の自転車を保有する規模にまで発展したとの話を聞いて、李総理は、実体経済を引っ張るIT企業の役割を十分に評価し、「自転車メーカーの一部はあなたのサービスによってよみがえったはずだ。新興サービス業の発展は製造業に巨大な市場空間を作り出した」と指摘した。
関連資料によると、シェア自転車に後押しされ、国内の従来型の自転車産業は春を迎え、少なくとも160万台以上の自転車の生産が促進された。自転車部品を生産するある上場企業の株式はストップ高にまでなった。米ブルームバーグのウェブサイトもこの現象に目を留めた記事を掲載し、「中国が再び自転車大国になろうとしている」と評価した。
「これは、我々の経済構造が、重大な意義を持つ変化を経たことを意味している。主には、新旧の原動力の切れ目のない転換として体現されている」と李総理は語る。「多くの新業態がこれと同じように、インターネットとサービス業を拠り所として製造業の発展を引っ張ることを希望する」
「中国の製造業という土台があったからこそ、我々も現在の規模にまで発展できた」。Mobikeの胡氏によると、米国の同業者と交流した際、相手側は皆、Mobikeの発展の速度を驚いていたという。
李総理はさらに、このスタートアップ企業の発展にアイデアを出した。「あなた方のこのサービスは、コペンハーゲンで歓迎されるだろう。自転車での外出が浸透している国家で、中国の製造業の海外展開を促進することもできる」。
「コペンハーゲンの招待はもう受け取っている。中国製造業の海外展開を促進することは、我々の目標だ」と胡氏はすぐに答えた。
「中国市場は巨大な潜在力を持ち、中国人は無限の知恵を持っている」と李総理は語った。「我々は現在、イノベーション主導戦略を実施しており、『大衆創業、万衆創新』(大衆の起業とイノベーション)は新旧の原動力の転換の重要な下支えとなっている。これまで想像もしなかった数多くの新たなモデルや業態がこの過程の中で次々と生まれている」
「我々に春の風を吹き込んでくれてありがとう」と李総理は胡氏に語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年1月18日