中国国務院は先ごろ『対外開放の拡大と外資の積極的な利用についての若干の措置に関する通知』を発表し、金融サービス業を今後の開放政策の柱に据える方針を明らかにした。
今回の開放政策に対し、欧州の機関投資家や関連業界団体は強い関心を示すとともに、歓迎する意向を示している。英国の欧州連合(EU)離脱後の市場環境の変化も、今回の政策を歓迎する理由の1つとなっている。
英シンクタンク、海外開発研究所(Overseas Development Institute、ODI)で国際マクロ経済のシニア・リサーチフェローを務めるフィリス・パパダヴィデ(Phyllis Papadavid)氏は、「EU離脱交渉の行方が不透明ななか、英国企業の間では海外の投資先や取引先を模索する動きが一段と強まっている」と指摘。英国にとって中国は主要貿易相手国であり、その経済成長の高さと世界中の投資家に門戸を開く姿勢が、英国企業にとっての中国市場の重要性を高めたとした上で、中国の開放政策は各方面から前向きかつ肯定的に受け止められていると評価した。
パパダヴィデ氏はさらに、「中国政府は最新の政策通知の中で、外資による中国国内取引所への上場や起債を認める方針を明らかにしており、これによって中国市場の魅力は一段と高まり、市場競争力の向上にもつながるだろう」と期待感を示した。