日本の福島原発の放射線量が過去最高を記録し、フランスの原発内で爆発事故が発生したというニュースにより、人々は再び原発安全に注目している。国家国防科技工業局副局長、国家原子力機構副主任の王毅韌氏はこのほど新華社のインタビューに応じ、中国が原子力エネルギーをいかに安全かつ効果的に活用するか、第13次五カ年計画期間中(2016-20年)の原発産業の発展にどのような見所があるかについて説明した。
宇宙原子力推進が、第13次五カ年計画に
計画によると、中国は第13次五カ年計画期間中に一連の重大プロジェクトに取り組み、原発技術の進歩を促す。模範高速炉を代表とする先進的な原子力システムプロジェクト、使用済み核燃料処理科学研究特別プロジェクト、宇宙原子力推進科学技術模範プロジェクトなど一連の重大プロジェクトを実施する。長期的に中国の原発産業の飛躍的な発展を妨げていた、ボトルネックと弱点を解消する。
中国が内陸部で原発を建設することについて、安全性が懸念されていた。王氏は「原発産業にはより高い安全基準が必要であるため、懸念は理解できる。しかし世界の原発発展の歴史を見ると、大半の原発は内陸部に建設されており、沿岸部は少数だ。沿岸部の方が安全で、内陸部の方が危険ということはない」と説明した。
王氏は「中国はかつて南東の沿岸部の発展が早く、電力使用量が多くエネルギーが不足していたため、沿岸部に先に原発を建設した。今や多くの内陸部でも、エネルギーの需要が拡大している。長期的に見ると、内陸部での原発建設は必然的だ」と指摘した。
移動式海上原発、自主開発と国際協力
移動式海上原発は、中国の油田や島の電力問題を解消する。中国の遠洋油ガス資源の開発、水上艦の原子力推進技術の発展に対して重要な意義を持つ。
王氏は「中国は以前、業界内の権威ある専門家を集めて論証を重ね、成熟した技術改善案を採用し移動式海上原発を建設することを決定した。中国はすでにこれを第13次五カ年計画原発産業発展計画に盛り込んでおり、特別科学研究経費を確保している。移動式海上原発関連基準・マニュアルの研究を先行実施し、全体設計及び安全技術、重要設備の設計・試験、稼働メンテナンス技術などの重要技術の難関突破を重点的に支持している。その後は適切な時期を見計らい、関連部門と模範プロジェクトの建設を開始する」と説明した。
中国は現在、自主開発に取り組む一方で、ロシアなどとの技術協力により開発を推進しようとしている。海での原発建設費は地上を上回る。研究開発企業は技術の難関突破に取り組むと同時に、取引先を探している。海上石油調査、天然ガス開発などの分野で、先に応用が実現されるだろう。
使用済み核燃料処理技術を強化
中国は第13次五カ年計画期間中、使用済み核燃料処理技術の難関突破に取り組む。
王氏は「使用済み核燃料処理の生産能力について、中国は3ステップの計画を立てている。まずは毎年60トン規模の処理中間試験工場の建設だが、これはすでに完了している。次に毎年200トン規模の処理模範工場の建設だ。それから毎年800トン規模の大規模処理能力の形成だ。大規模処理技術を自主的に把握する前、中国はフランスと800トン級の処理場を建設する予定だ」と述べた。
「2つの五カ年計画により、中国の使用済み核燃料処理問題が解消されるだろう」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年2月15日