中国外交部の耿爽報道官は10日の定例記者会見で、中国側はチリで開催される環太平洋経済連携協定(TPP)参加国会議への出席を積極的に検討中と表明した。中国外交部のこの発言は、中国がTPPのリーダーになることを意味しているのだろうか。
全国政協委員、中国社会科学院学部委員、アジア太平洋事業専門家の張薀嶺氏は、ネット上の「中国がTPP参加へ」という意見に同意できないと表明し、次のように述べた。
中国外交部の今回の発言は、中国が直ちにTPPに参加することを意味しない。これは中国が市場開放を促進し、開放的発展を支持するすべての措置に対して、開放的な態度を持つことを示しただけだ。中国はさまざまな機会と勢力を利用し、脱グローバル化の流れに歯止めをかけようとしている。
TPPの2つの特徴により、中国が軽率にバトンタッチできなくなっている。まずはグローバル化による一部の問題は、市場開放だけでは解決できず、さらに経済協力が必要になる。ところがTPPに、その協力は含まれない。次に中国はTPPの一部の基準と手段に、完全に同意しているわけではない。中国は漸進的なやり方による、完全に開放された高基準の自由貿易区を主張している。
中国は地域包括的経済連携(RCEP)交渉を優先的に推進すると同時に、より包括的で広範なアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の交渉を引き続き推進するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月14日