中国共産党中央委員会と国務院はこのほど、「河北雄安新区」の設立を決定したことを通知した。雄安新区は、深セン経済特区と上海浦東新区に続き、全国的な意義を備えた新区となる。千年の大計、国家の大事と言える。なぜこの新区を設立するのか。新区の立地選定にあたっては何が考慮されたか。将来、どのような影響をもたらすのか。社会各界が注視するいくつかのホットな話題について、新華社記者は、京津冀(北京・天津・河北)協同発展専門家諮問委員会組長で中国工程院主席団名誉主席の徐匡迪院士を取材した。
立地選定:北京都市副センターと北京の新たな両翼を共同形成
――北京通州にはすでに北京都市副センターが建設されている。なぜまた河北雄安新区を設立する必要があるのか。
京津冀(北京・天津・河北)協同発展の推進は、習近平同志を核心とする党中央が提起した重大国家戦略の一つだ。北京と天津の両地は「太りすぎ」ており、大都市病が出現している。とりわけ河北の発展は両地と大きな格差がある。新たな情勢において新たな発展を指導し、新たな成長の極を形成するためには、京津冀協同発展の早期の実現が求められている。
雄安新区の設立は、北京の非首都機能を分散させ、北京の大都市病を有効に緩和し、北京都市副センターと北京の新たな両翼を形成するのに有利となる。また地域発展の弱点を早期に補い、河北の経済社会発展の質と水準を高め、新たな地域成長の極を育てるのに有利となる。さらに京津冀の都市の布陣と空間構造を調整・最適化し、地域発展の新たな空間を開拓するのに有利となる。人口・経済密集地区における最適化開発の新たなモデルを模索し、全国の革新駆動発展の新たなエンジンを形成し、京津冀世界級都市群の構築を加速するのに、重大な現実的意義と奥深い歴史的意義を持つものとなる。
世界ではこれまで、大都市病の解決のためには一般的に、新たな都市の建設という方法が取られてきた。中国では、深セン経済特区と上海浦東新区の建設が、珠江デルタ地域と長江デルタ地域の発展を力強く推進したという過去の経験がある。京津冀協同発展が目指しているのは世界級都市群を形成することであり、雄安新区の計画・建設は、この戦略の重要な一部となる。
――新区の計画の範囲には、河北省の雄県・容城県・安新県の3県と周辺の一部地域が入っている。この地方が選ばれたのはなぜか。
交通・地質・水文・建設コストなどの要素を総合的に考慮し、立ち入った論証を繰り返して選定したものだ。ここは交通が便利で、環境に恵まれ、多くの都市間鉄道と高速鉄道がすでに計画中だ。この地方はこのほか、人口密度が低く、開発程度が低いことから、発展の余地が大きく、白い紙のようなもので、高い出発点から高標凖の開発・建設を進める基本的な条件を備えている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年4月6日