米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』によると、中国はバイオ医薬品の主要生産国になり、世界の大手医薬品メーカーから注目されている。ここ2年で、米国のイーライリリー・アンド・カンパニーやドイツのメルクなどが、中国企業が開発したバイオ医薬品を海外で販売することで数百ドル規模の契約に調印した。
イーライリリー・アンド・カンパニーは新抗がん剤の開発の権限を上海市郊外にある創設6年の会社に与えた。この医薬品はチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いたもの。同社は米国の患者にこの新薬を試すことを計画している。
報道によると、このようなケースはほかにもあり、中国は長期にわたり世界に安価の有効成分や模倣薬を供給し、現在はバイオ医薬品という重要な新薬の主要生産国になっている。米国立衛生研究所の統計によると、バイオ治療臨床試験の数で中国は米国に次ぐ2位につけている。バイオ医薬品は動物の細胞や細菌などの生物が作り出すものがもとになっている。
中国の台頭は世界の大手医薬品メーカーの注目を集めている。
メルクは役員に多くの中国のベンチャー企業を訪問させ、2015年に上海に専門のイノベーションセンターを設立。ジョンソン・エンド・ジョンソンも2014年、中国の科学技術面の飛躍を把握するために上海に類似の施設を設立している。この2年で、イーライリリー・アンド・カンパニー、メルク、TESARO Inc.(TSRO)、Incyte Co.(INCY)が、中国企業が開発したバイオ医薬品を海外で販売することで数百ドル規模の契約に調印した。
報道によると、本土の医薬業改革の推進の一環として、中国政府は中国の医薬品メーカーに大量の資金を投じ、奨励策を講じた。海外で働く中国人科学者を帰国させる事業を立ち上げ、バイオ技術を専門とするベンチャー企業の科学技術パークに数十億ドルを投じ、新たに開発されたバイオ医薬品の試験の審査・承認も加速化した。
「ChinaBio」の統計によると、中国のバイオ技術業の繁栄はベンチャーキャピタルを引きつけ、2016年の中国の生命科学分野への投資額は過去最高の53億ドルに達した。この規模は5年前の10倍近くになる。
イーライリリー・アンド・カンパニーは2008年、アジアに投資するベンチャーキャピタルを設立し、投資額の5億ドルを全て中国のバイオ技術ベンチャー企業に投資した。
同ベンチャーキャピタルの共同経営者は、「10年前に中国はバイオ技術分野で注目する対象ですらなかったが現在は無視できない力を持っている」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年4月24日