中国商務部のまとめによると、2017年第1四半期(1-3月)の中国の実質外資利用額は2265.1億元だった。前年同期比では1%増と、16年全体に比べて伸びが3.1ポイント鈍化した。うち、3月に全国で新たに設立された外商投資企業は前年同月比で1.5%減少した。
近年、世界経済の回復の遅れと中国経済の成長モデル転換などの要因が重なり、中国の外資利用額の伸び率に変動が見られた。しかし、外資の利用規模は基本的に安定を維持し、拡張傾向が続いている。これは外資系企業が中国への投資に依然として自信を持っていることを示している。
別の角度から見ると、中国の経済発展はすでに新常態に入っている。経済成長のギアチェンジのほか、製造業は粗放型発展から集約型発展モデルに高度化し、経済成長エンジンも過度な投資への依存から消費と投資の協調型に転換しようとしている。このような状況を背景に、中国の外商投資への需要は必然的に大きく変化する可能性が高い。中国の外商投資への需要は、これまでのようにボリュームさえあれば質は構わない、外資を導入しさえすれば投資分野にはこだわらない、というわけにはいかない。中国での外商投資は、ミドルローエンド産業に引き続き流入することはないだろう。
このような変化はすでに数字に表れ始めている。17年第1四半期の中国サービス業の実質外資利用額は1653.8億元と、前年同期比で7.1%増加、外資利用額全体の73%を占めた。