産業再生機構は政府が主導して設立したもので、主要株主は預金保険機構や農林水産業の共同組合など国の政策金融機関で多く構成されている。また産業再生機構が企業を支援する際には所管大臣の審査認可が必要であり、政府主導の色合いが濃いといえる。銀行の不良債権処理と企業の経営活動の再建が産業再生機構の主要任務だ。産業再生機構による債権購入を保証するため、政府は総額10兆円の保証金を提供した。
07年に産業再生機構は支援するすべての企業の債権の処理を終え、予定より1年前倒しで整理・清算をスタートした。産業再生機構は存在した4年間に、企業41社への支援措置を実施した。支援を受けた企業の産業分布は非常に広く、電子設備製造業、自動車製造業などの製造業もあれば、卸売小売、ホテル、観光などのサービス産業もあり、建築業や鉱業などもあった。全体としてみると、支援した企業は非製造業が中心で、企業規模では中小企業が圧倒的多数を占めた。
産業再生機構は市場における優位性と政府の後押しという優位性を存分に利用して、資源面での相互補完を実現し、日本の不良債権問題とゾンビ企業問題の解決を推進した。これは一種の体制の刷新だといえる。機構の存続期間は限定されたもので、処理した企業の数は多くないが、企業の経営状況改善の役割を果たすとともに、産業の中で模範的効果を上げ、産業の発展と刷新をもたらした。また産業再生機構の支援と再編を通じて、非支援企業が新しいビジネスモデルや経営モデルを構築することが促進され、企業の市場における競争力向上が促進され、ひいては当該企業が所属する産業クラスターの発展につながった。05年以降、日本ではゾンビ企業の数が減少傾向にある。