2017年全国経済体制改革工作会議が先ほど、北京市で開かれた。同会議は現在の経済情勢の特徴を判断し、今年の経済体制改革の重点内容を明らかにした。供給側の構造改革の重点任務で新たな進展を目指す一方で、重点分野・重要部分の改革に力を入れる。これについて専門家は、現在の経済は安定成長しつつ前進しており、改革案がほぼ揃っており、経済改革が理想的な時期と条件を手にしていると述べた。今後は改革案のさらなる進展と実行、改革ボーナスのさらなる引き出しと共有に注目する必要がある。
経済が前進も、課題あり
経済分野の改革の重点を決める上で、現在の経済情勢への判断が不可欠となる。
中国経済は今年、数々の「サプライズ」で幸先の良いスタートを切った。第1四半期のGDP成長率は6.9%で、6四半期ぶりの高水準となった。投資や輸出入などの主要指標も安定成長しながら前進し、予想を上回るほどだった。しかし現在の経済の前進には、周期的な要素などが含まれており、経済構造のアンバランスがまだ改善されていないという観点もある。
同会議は今年の経済情勢の特徴をしっかり把握すべきと指摘した。経済運行は安定成長しながら前進しており、特に新たな発展の理念と供給側構造改革が自覚的な行動に変わりつつある。これは中国経済発展のモデルチェンジ、経済の持続的かつ健全な発展に向け深い影響を生む。その一方で構造調整は任重くして道遠し、経済発展はまだ難関突破の時期にあり、多くの課題が存在する。新常態という論理に基づく経済情勢の分析・判断を堅持し、改革開放を前提とする経済構造の戦略的調整の推進に全力を注がなければならない。
国家情報センター経済予測部マクロ研究室の牛犁主任は、記者のインタビューに応じた際に「第1四半期の経済データが好調だったからといって、現在の経済情勢を過度に楽観してはならない。中央政府は経済が『新常態の理論』下にあると重ねて強調しており、今後再び高度成長する可能性は低いと見られる。産業構造の改善、経済成長の質・効果の向上、一般人への実益の分配をより重視することが最も重要であり、これには改革が必要だ」と指摘した。
供給側改革、進展を目指す
供給側の構造改革は依然として、今年の経済改革の重点となっている。同会議は5大重点任務について、「着実かつ効果的に過剰生産能力を解消」「都市・地域・クラス別に在庫を解消」「積極的かつ着実にデレバレッジ」「複数の措置の同時推進によるコスト削減」「正確な弱点補強に注力」という要求を出した。
中国銀行の宗良首席研究員は「中国経済の発展に関する国内の基盤が依然として脆弱で、外部環境も不安定だ。資金の実体経済から虚構経済への移行という問題も存在している。この時期には供給側の構造改革をより徹底的に推進し、市場に希望をもたらすべきだ」と分析した。
国家統計局中国経済景気観測センターの潘建成副主任も「第1四半期の幸先の良いスタートは、中国経済のアップグレード・モデルチェンジの最良の時期であり、この機会はすぐに失われる。供給側の構造改革をためらわず、より着実に推進しなければならない」と話した。
牛氏は「かつてマクロ調整は需要側の管理を重視していたが、供給側の構造改革は第13次五カ年計画の主軸だ。改革の効果は昨年より現れ始めているが、デレバレッジやコスト削減などの圧力が依然として際立っている。また各方面の関係を処理し、着実かつ穏健に推進しなければならない」と指摘した。
重点分野で着実に推進
同会議は12の重点分野と重要部分の改革を計画した。これには「放管服」改革の継続推進、投融資体制改革の深化、価格改革の拡大、国有企業・国有資産改革の深化、財産権保護制度の強化、市場体制改革の深化、財政・税制・金融改革の深化などが含まれる。
牛氏は価格改革を例とし「中国は2020年に初歩的に整った社会主義市場経済体制を構築するが、これには市場価格決定体制が必要だ。価格改革には石油・ガスエネルギー、原材料などの実物の価格のほか、金融、高齢者福祉、医療などのサービスの価格も含まれる。サービスは比較的難しいが、実際の取り組みを見ると、今年の見所の一つである医療改革がすでに始まっており、市場化に向かい着実に邁進している」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年5月2日