フィンエアーの上海〜ヘルシンキ線で、中国人の乗客が有名ブランドの香水を購入した。クレジットカードを使うのではなく、客室乗務員に携帯電話を提示し、二次元コードをスキャンし決済を完了した。
これは独マネージャー誌がこのほど記事で取り上げた光景だ。記事によると、フィンエアー、欧州の2000店以上の飲食店と商店(ロンドンの有名なハロッズ百貨店を含む)で現在、モバイル決済サービス「支付宝」が利用できる。しかも利用可能店は現在も拡大中だ。
記事は「中国でとっくに始まっていた革命が、欧州に輸出されようとしている。これは金融業の革命だ。決済、振込、貸付、保険購入といったすべての取引がオンラインで完了する。この点に関しては、中国ほど先進的な国はない」と紹介した。
新技術が支える新業態・新モデルが現在、中国経済の各分野で力強く発展している。今年の両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)の記者会見で、李克強総理は「尽きることなき」という言葉により、シェアリングエコノミー、「インターネット+」などの新業態を表現した。これらが市場の需要、消費者の個性的で多様な需要に適合したことを、十分に肯定した。
国連開発計画と国連のベター・ザン・キャッシュ・アライアンスが最近発表した報告書によると、中国の2016年のデジタル決済市場規模は2兆9000億ドルに達し、過去4年間で20倍増となった。
報告書は「中国のキャッシュレスの歩みは、世界の見本になっている。中国の監督管理環境の革新への支持は、特に参考に値する」と指摘した。
李総理は今年の政府活動報告で、新興産業の育成と発展を加速し、革新奨励、包括的・慎重という原則に基づき、新興産業の監督管理ルールを策定し、新興産業の健全な発展を指導・促進すると明言した。
フィナンシャル・タイムズ(電子版)は「中国は技術産業と新興産業の発展を、戦略の優先分野としている。中国経済のその他の数多くの分野と同様、中国のデジタル産業の規模と変化の速さは目もくらむほどだ」と報じた。同記事はさらに、公式データを用い次のように紹介した。
中国のネットユーザー数は2016年現在で約7億3000万人にのぼり、うち95%がモバイルデバイスでネット接続している。これにより世界で最も活力あふれると思われる、モバイル生態システムの発展が促進された。上海地下鉄の乗客は携帯電話により日用品を購入し、友人に情報を発信し口座振込を行い、連休中の旅行を予約し保険手続きを行うことができる。街の物乞いも二次元コードを利用しているほどだ。
未来のキャッシュレス社会を知りたければ、中国のすべての街頭で体験できる。昨年は中国人の約4億7000万人が、スマホを使い決済を行った。中国のデジタル決済市場の規模は、すでに米国の約50倍に拡大している。
オフラインの店主のモバイル決済により、中国人の暮らしが全面的に変化し、伝統的な小売業の「オンライン・オフライン連動」に新たな支柱をもたらした。これは李総理が強調し続けている「革新による実体経済のモデルチェンジ・アップグレードのけん引」を示している。
北京市で勤務する英国の技術コンサルタントは、中国で起きている変革を「中国を立ち去れば後退という感覚がある」と形容した。フィナンシャル・タイムズ(電子版)は「中国のデジタル経済はすでに、世界の先駆者だ」と評価した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年5月24日