それに対して中国の北斗システムおよび欧州のガリレオシステムは、GPSを追う立場にある。実際、国際的にみて衛星ナビゲーションシステム(GNSS)クラブの会員は、わずか4人しかいない。アメリカのGPS、欧州のガリレオ、ロシアのグロナス、そして中国の北斗だ。 うち中国の北斗が最後発である。冉承其主任は述べる。「20世紀後半、我が国は国情に合った衛星測位システムの開発を模索し始めた。そして“三段階発展戦略”が始まった――」。
第一段階は、2000年末の北斗衛星測位試験システム「北斗1号」である。中国向けサービスを提供するものだ。第二段階は、2012年末に作られた14機の衛星ネットワークと宇宙とつながった32の地上施設を使った衛星測位システム「北斗2号」である。これはアジア太平洋に向けたサービスを提供するものだ。第三段階は、2020年前後に建設する、5機の静止衛星と30機の非静止衛星から成る北斗グローバル衛星測位システム「北斗3号」である。これは全世界でサービスを提供する。