米ブルームバーグはこのほど、「中国の高齢者、全世界に影響を及ぼす」と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。
中国の60歳以上の人口は現在2億2200万人で、高齢者の人口が世界最多の国になっている。彼らの経済的な影響力は、今後数年間で急成長する。高齢者向けの商品・サービスの規模は2050年に、国内総生産の33%を占める可能性がある。
この流れが続けば、今世紀中頃には高齢者福祉サービスが中国の中心産業になる。高齢者は中国を左右する年齢層になる。これにより中国政府は数多くの課題を迎えるが、企業には商機がもたらされる。観光業界の関係者は、高齢者が10年内に中国観光市場の中心的な駆動力になると予想した。毎年約500万人の高齢者が海外旅行し、この数は2030年には2倍以上に達する見通しだ。観光市場は彼らの需要に応じ、調整を行う。高齢者向けに調整に取り組むのは、観光業だけではない。自動車メーカー、通販サイトなど各業者は近年、中国の高齢者向けのサービスを打ち出している。
ヘルスケアは高齢者によって変わる産業になりそうだ。海外旅行するほど元気ではない高齢者にとって、民間の介護予防サービスは親しみやすい存在になっている。一部地域の企業は「スマート介護」製品を開発し、ネット接続デバイスによりユーザーの健康状況をチェックしている。しかし中国の高齢者介護市場で最大の影響力を持つのは、住宅と思われる。2015年現在、中国の高齢者1000人当たりの介護病床数は26床のみとなっている。今後数十年間で、政府が増加を続ける高齢者の需要を満たすため、十分な数の施設を建設できるとは思えない。介護職員はさらに少なくなる。そのため中国は新しい、より創意あふれる介護モデルを打ち出す必要がある。これには自動化(ロボット)介護、オンライン配送サービスによる在宅介護などが含まれる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年6月10日