ここ数年にわたって中国とロシアの観光協力が急速に発展するなか、両国の国民が友好な隣国に「遊びに行く」ことは、「一帯一路」の民心通じ合いの理念に合致するだけでなく、中国とロシアの貿易の持続的な向上につながっている。
ロシア連邦観光省の最新データによると、団体旅行ノービザ協定にもとづく2016年の中国人ロシア旅行者数は前年比41%増の延べ76万人だった。うちロシア国境地区を訪れたのは32万5000人で、2015年に比べ45%増加。ロシア沿海地方は58%増の19万人、ロシア・イルクーツク州は158%増の4万3500人となった。ロシアの「有名」都市を訪れる旅行者も多く、首都モスクワと「北都」サンクトペテルブルクを選んだ旅行者は48%に達した。
中国とロシアの観光の行き来が急速に発展した要因はいくつかある。まず、中国とロシアが互いに友好な隣国のため、どちらへ行くにも旅行日程が短く、旅費も少ない。中国人旅行者は、東北地方から河を一つ隔てたロシア沿海地方でロシアの風情を感じ、自然の美しい風景を鑑賞することができる。
次に、ビザ手続きが大きく簡素化された。中国とロシアは2012年に団体旅行ノービザ協定を締結。協定によると、両国の国民は団体旅行によりノービザで互いの国を旅行することができ、ノービザ観光の期限は暦日15日間となる。中国とロシアは現在、ノービザ団体旅行の人数と期限の緩和を検討している。さらに、ルーブル安がロシア観光のコストパフォーマンスを大幅に上げ、ロシアでのショッピングが中国人観光客を最も引き付けている。