中国人民銀行と香港金融管理局は2日、中国本土と香港間の債券相互取引制度「債券通」(ボンドコネクト)を3日から開始すると発表した。まずは香港経由で本土債券を売買する「北行き」の取引から開始する。
専門家は、「今回の取引開始により、本土と香港の2つの市場が効果的に結び付くともに、香港を軸に本土の債券市場と世界の金融市場の接続が実現する」と指摘。資本市場の開放に向けた突破口となるとした上で、本土債券市場の対外開放が一段と強まることは、重要な戦略的意義を持つものだとの見方を示した。
招商証券のチーフマクロアナリスト、謝亜軒氏は、債券通の開始により中国債券市場の対外開放は一段と加速するとした上で、「海外から年平均1000億ドル規模の資金が流入する見通しで、今後の市場拡大が期待される」と述べた。
民生証券副総裁で同証券研究院院長を兼務する管清友氏は、「債券通のうち、特に『北行き』は中国債券市場の活性化につながり、資金規模にもイールドカーブ(利回り曲線)にも一定の影響をもたらすだろう」と述べた。
その上で、「債券市場の開放政策が深化し、海外投資家を呼び込めば、人民元建て債券取引の利便性の向上につながり、最終的に中国債券資産の価格決定効率の改善や債券市場の発展レベル向上という目標の達成につながるなど、これが持つ意義は大きい」と述べた。