西蔵(チベット)に通じる中国2本目の鉄道が建設中だ。この鉄道は世界で山と川が最も密集した地域、人の居住に最も適していない地域を通過する。工期は10年弱を予定。米ワシントン・ポストが伝えた。
川蔵鉄道の両端、四川省成都市とチベット自治区ラサ市を結ぶ区間で、すでに建設が始まっている。その他の区間のフィジビリティスタディも終わっている。しかし四川省康定市の険しい山々とチベットのニンティを結ぶ区間は、最も難航が予想されるため依然として設計の段階にある。川蔵鉄道の総延長は竣工後1700キロに達し、橋とトンネルが8割を占める。同鉄道の投資額は2500億元(予定)で、成都とラサの移動距離も48時間から13時間に短縮する。
設計担当者は同鉄道をジェットコースターに例えている。同鉄道は高低差が激しく、標高は最高4400メートルに達する。複雑な地形、土石流、地震も大きな脅威だ。施工業者の中国中鉄二院の高級技術者である夏烈氏は、メディアに対して「これは鉄道建設の歴史上、最も困難な超特大プロジェクトになる」と話した。建設中の同鉄道は、中国の一連の野心あふれる建設プロジェクトの一つだ。これらのプロジェクトには三峡ダム、膠州湾大橋、世界最長の高速鉄道網が含まれる。中国は2006年に青海省とラサを結ぶ鉄道の運営を開始した。総延長は1956キロ、標高は最高4000メートル以上。
インドメディアは5日「中国が総工費360億ドルの、世界で最も困難な鉄道を建設開始」と題した記事で、次のように伝えた。
果てしなく続く山河、雄壮で美しい景色、息も止まるようなスリル。これは世界で最も困難な鉄道(川蔵鉄道)の建設を開始した、中国人技術者が毎日目にし実感していることだ。
川蔵鉄道はチベット鉄道に続く、チベット地区に通じる2本目の鉄道だ。同鉄道はチベット高原の南東部を貫く。同地域は世界で地質活動が最も活発な地域の一つだ。
中国科学院成都山地災害・環境研究所チーフエンジニアの遊勇氏は「川蔵鉄道の建設は、世界最大のリスクを克服しなければならない」と話した。遊氏が率いる科学技術チームは現在、同鉄道の建設をサポートし、山間部の災害多発地帯を避ける指導を行っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年7月9日