フィッチは、亜投行のリスクレベルが比較的低いレベルを保つとの見方を示し、向こう10年にわたる亜投行の貸出ポートフォリオの平均評価水準を「BB」とした。亜投行は、貸出の大部分がソブリン担保のある借入者に対するもので、同時に多くの開発銀行に対する優先債権者の地位を持つ。また、AIIB内部のリスクエクスポージャーに対する管理も、慎重で保守的な方針を採用している。
AIIBの流動性レベルも優秀と評価され、フィッチは、留保している大量の流動性が資本の衝撃を緩和すると分析した。AIIBの内部政策によると、流動性資産は、少なくとも年間必要キャッシュの40%を満たさなければならない。これは最高格付を得ている同種機関の状況と一致している。
フィッチのレポートは、AIIBの管理基準が高く、戦略がはっきりとし、民間部門に対するリスクエクスポージャー管理の良好なことが、低リスクな業務状況を確保しており、運営環境リスクをある程度打ち消したとの見方を示した。AIIBのメンバー国の支持が信用の向上をもたらしているものの、今回の格付にはこの優位性を考慮していないという。