中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した統計によると、2017年7月末時点で、外貨準備高は3兆807億米ドルに上った。6月末時点に比べ239億米ドル増え、率にして0.8%増となり、6カ月連続で増加した。
中国国家外貨管理局の責任者は、中国のクロスボーダー資金流動の安定トレンドが続き、外国為替の需給が平衡に向かっていると分析。国際金融市場において、米ドル以外の通貨が対米ドルで上昇し、米ドルを算定通貨とする外貨準備高が膨らんだとしている。
招商証券は、持続的な米ドル安が米ドル以外の通貨高をもたらし、米ドル換算した外貨準備高を増加させたとの見方を示した。ドルインデックスは93近くまで低下。今回の米ドル高サイクルの主要因は、米国と他国、特に欧州各国の通貨政策の分化だったが、欧州経済の好転につれて通貨政策期待が引き締めへと向かったことが米ドル安につながったと分析。また、米トランプ政権が積極的な財政政策が期待通りに行かず、それが弱い米ドルをアピールすることになったとみている。
今後は、供給側構造改革が進み、イノベーション主導型発展戦略が加速する大きな背景のもと、中国の経済運営においてポジティブな変化が引き続き増える見通しだ。金融市場の開放拡大に伴い、外国為替市場が健全に発展し、市場期待安定することで、クロスボーダー資金流動が全体的に落ち着く基盤がさらに強固となり、外貨準備高の安定が維持されるだろう。
招商証券は、人民元レートという「価格」とクロスボーダー資金の純変動という「量」がすでにかい離し、中間レート算出に「逆周期因子(反循環的要素)」が加えられたことで、市場の人民元レートに対する期待が分かれるなか、現在の持続的な人民元高によって外国為替市場の需給関係の変化を簡単に推断することはできないと指摘した。下半期は、単純な人民元高ではなく、人民元レートが一定範囲内での双方向変動が続き、外国為替市場の脆弱な需給バランスが維持されると予想。クロスボーダー資本流出の圧力が残り、中国の外匯占款(外貨準備高増加に伴う人民元の放出額)は低い伸び率を維持する見込みとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月8日