日本のメディアによると、日本文部科学省科学技術・学術政策研究所は8日、国内外の研究動向を分析した報告書を公表した。世界に影響を与える注目論文の国際シェア(占有率)で日本は9位となり、2016年公表の7位から順位を下げた。
報道によると、文部科学省は国内外の論文情報を集めたデータベースをもとに2015年までの動向を調べた。日本は2003~05年は4位だった。米国などに次ぐ世界3位の研究費を投じながら、科学力の低下傾向に歯止めがかからない実態が明らかになったと指摘。「ノーベル賞級の成果を生みやすい40歳未満の大学研究者が減っていることなどが背景にあるとみられる」との見方を示した。
分析対象の一つが、世界の論文のうち他の研究者に多く引用され注目度が高いとされる上位10%のシェア。2013~15年の平均は米国が1位で、上位3カ国で全体の半分を占めている。日本は9位でシェアは3.1%だった。
論文の総数でみると、日本は4位となっている。研究開発投資額は15年で18.9兆円と、米国の51.2兆円などに次ぐ水準。研究者数も米国、中国に続く。
一方で報告書は、論文の大半を発表する日本の大学における人材不足を指摘。40歳未満の教員の割合は1986年度で39%だったのが、13年度は24.6%まで下がっている。60歳以上の比率は11.9%から19.2%に上昇。研究者の卵となる大学院博士課程の入学者数は2003年度の1.8万人をピークに減少を続け、2016年度には1.5万人に減った。
他国の研究者と組んで成果を出す国際共著論文の割合も日本は少ない。国際共同研究の取り組みが遅れ、世界から取り残されている様子がうかがえると指摘している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月11日