国家質量監督検験検疫総局欠陥商品管理センターは7月、リコール報告をもとに7月の中国の乗用車リコール状況をまとめた。7月、中国の乗用車市場で12ブランドが17回のリコールを発表し、リコール台数は195万7625台だった。
2017年7月の中国の乗用車リコール状況
下半期最初の月である7月、中国の乗用車リコールは2四半期続いた低水準から一気に増加し、7月のリコール台数は195万7625台で前月比692.56%増となった。前年同期比では31.85%減少。
2017年1~7月のリコール台数
国別で見ると、日本は4ブランドで160万9707台をリコールし、全体の82.23%を占めた。ドイツは3ブランドで31万4448台、16.06%。韓国は1ブランドで2万6124台、1.33%。自主ブランド、イギリス、米国はそれぞれ5549台、1481台、316台で0.28%、0.08%、0.02%を占めた。
2017年7月の中国乗用車リコール状況(国別)
タカタが原因で91万台リコール タカタ製エアバックによる死亡事故は18件
日本のタカタは米国時間6月26日に日本と米国で同時に破産申請をしたが、問題のエアバックの影響は続いている。全国乗用車市場情報連合会の崔東樹秘書長は、「タカタのエアバック問題は世界的な劣悪製品問題で、その影響はまだ解消されていない」と述べた。
タカタ製エアバック
今月、あるオーストラリア人男性がシドニーで事故を起こし死亡した。警察は、男性はエアバックの異常破裂により死亡したと発表。その後、ホンダ・オーストラリア支社のステファン・コリンス氏は7月22日、事故を起こしたホンダCR-V2007年モデルはタカタ製エアバックのリコール対象だったと明かした。タカタ製エアバックにより世界で17人が死亡、180人が負傷しており、これはタカタ製エアバックによる18件目の死亡事故となる。
タカタ製エアバック問題は中国でも注目を集めている。国家質量監督検験検疫総局執法督査司はタカタ製エアバックの破裂についてフォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズ、メルセデス・ベンツから事情を聴取し、欠陥問題の調査状況を報告し、関連企業に迅速に対応し、リコールに関する法的義務を履行し、危険を回避するよう求めた。
7月、一汽轎車と華晨BMWも一部乗用車のエアバックにタカタの乾燥剤が入っていないインフレータを使用しているとしてリコールを発表。リコール台数は91万5938台、同月のリコール台数の46.79%を占めた。タカタのインフレータ破裂問題は中国の37社、2000万台に及び、うち24社が104回、計1150万台をリコールした。
タカタの破産 中国企業がチャンス伺う
タカタの破産は各方面の利益に影響している。タカタが裁判所に提出した資料によると、債権者は700人に上り、うち最大の債権者は米国政府で415億7000万円である。自動車業界は直接影響を受け、中でも最大の顧客である日本企業は巨大な損失を被り、トヨタの損失は5700億円、ホンダは5560億円、日産は907億円に達した。
タカタの破産は株式市場にも影響し、破産申請後に同社の株価は75%暴落した。また、巨額のリコール費用を負担する必要があり、タカタは債務超過となり、株価はゼロになるとみられる。寧波均勝電子は、子会社のKSSHoldings,Inc.がタカタの買収を検討していると発表。目標取引額は15億8800万ドル(約108億6600万元)。これは中国企業にとってチャンスであり試練でもあり、中国の自動車メーカーがエアバックを製造しない時代は終わるのか、注目が集まる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年8月12日