BRICSの現状は?
BRICSが発足され、すでに10年運営されている。新興経済体と発展途上国の代表者として、中国、ロシア、ブラジル、インド、南アフリカは雨のなか風のなかを歩き続け、11年目を迎えた。自然資源と発展方法を見ると、BRICSにはそれぞれの特徴があり、成長の余地が大きく残されている。5カ国のうち南アフリカを除く4カ国が人口大国であり、中国は13億7000万人で1位、インドは13億人で2位となっている(2015年のデータ)。5カ国はさらに資源大国であり、徐々に成長する比較的高い技術力を持つ。ロシアは伝統的な世界の強国で、科学理論の研究で旧ソ連の古い基礎を持ち、さらに近年には革新的発展を遂げている。中国とインドは、宇宙、機械製造、コンピュータ、医薬品などの分野で世界の先頭を走っている。ブラジルは鉄鋼業と航空機製造業で高い実力を持つ。
BRICSはアジア、欧州、アメリカ大陸、アフリカ大陸の4大陸に分布している。中国には5000年続く文明があり、インドはヒンドゥー教と仏教という世界2大宗教を育み、ロシアはユーラシア大陸を横断し東西の文明を結んだ。南アフリカとブラジルは多元的な民族、多様な文化を持つ。このような5カ国はまさに、文化交流と文明相互参照の最良の手本だ。
当然ながら、BRICSとその協力枠組みは大きな課題に直面している。世界経済は成長が緩慢で、低迷の圧力が拡大している。保護貿易主義が台頭し、脱グローバル化の思想が氾濫し、地域の衝突が激化し、テロ事件が続いている。これらはBRICSとその協力枠組みに悪影響を及ぼす。
BRICSの発展にも近年、二極化が生じている。中国とインドは依然として高い経済成長率を維持している。その一方でロシア、ブラジル、南アフリカは原油と原材料価格の下落、政局の不安定、社会問題の激化といったさまざまな原因により、経済が苦境に立たされている。
西側諸国はBRICSの文化及び価値観の差を利用し、各国間の対立を引き起こそうとしている。中ロを「権威国家」、インドなどの国を「民主国家」と称している。米国と日本は堂々とインドを抱き込み中国をけん制している。BRICS内部の戦略にも大きな差がある。例えば中国の「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)イニシアチブ、インドの「プロジェクト・マウサム」、ロシア主導の「ユーラシア経済連合」があり、ブラジルと南アフリカも所在地域の経済一体化を推進している。
インドは今年6月、自国の「安全の懸念」を口実に中国の領土に侵入した。中国側の施工を妨害し、国境地帯の対峙を生じさせた。インドのこの措置は両国関係に深刻な影響を及ぼし、BRICS首脳会議と未来の協力に影を落とした。