中国外貨取引センターによると、8月28日の人民元対米ドル基準値は1ドル=6.6353元で、前週末の基準値(6.6579元)に比べ0.0226元の大幅な元高・ドル安となった。基準値としては2016年8月19日以来の元高水準。これに伴い、28日の上海外国為替市場で人民元対米ドルスポットレートは1ドル=6.6415元で始まったが、6.6310元まで上昇する場面があり、同様に1年ぶり高値をつけた。
WINDのまとめでは、年初より人民元対米ドル基準値は4.35%上昇している。業界関係者は、「人民元は対米ドルで段階的に値上がりしているが、通貨バスケットに対しては全体的に安定を維持している」との見方を示した。外国為替の専門家である韓会師氏は、年初来の元高水準について、2つの要因があると分析した。第1は、米ドル安が人民元に対して良好な外部環境を創出したため。第2は、中国人民銀行(中央銀行)の年初来の一連の動きにより、市場では「人民元相場の中長期的な安定維持は監督管理当局の基本政策に基づくもの」との信頼感が広がったため、と分析した。
韓会師氏は、28日の大幅な元高・ドル安について、「イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が前週末の経済シンポジウムで米国の利上げに言及せず、主要通貨に対してドル売りが進んだことが直接の引き金になった」との見方を示した。前週末に米ドル指数は大幅下落したが、人民元対米ドル基準値は「通貨バスケットを参考」に決定するという仕組みに基づき大幅な値上がりとなった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月30日