14日に上海で開催されたアントファイナンシャル公開日の物流開放会場で、アントファイナンシャルと菜鳥(Cainiao)は、決済・金融・信用・マーケティングなどの一連の能力を中小物流企業に向けて開放し、中小物流企業の「インターネット+」のプロセスを後押しすることを共同で宣言した。支付宝(アリペイ)はさらに、2億元の資金を投入し、決済手数料の優遇や共同マーケティングなどの方式で中小物流企業とインターネットとの深い融合を加速し、より便利な体験をユーザーに提供する。
統計によると、2016年の社会物流総費用がGDPに占める割合は14.8%にのぼっている。ネット通販の発展は物流の発展を牽引したが、物流の情報化の遅れは産業の発展を制約している。ある小型物流企業の担当者は、企業の発展が直面する苦境を記者に次のように説明している。「大型の速達企業と比べると、中小の物流企業は、自らのアプリを構築・運営する技術能力がなく、顧客のサービス体験で追いつくことができない。整備されたシステムによるサポートがなく、物流費用を本部にまとめなければならず、效率が低く、コストが高く、物流会社に大きなキャッシュフローの圧力がもたらされる上、途中で現金を持ち逃げされるリスクもある」
アントファイナンシャルの物流業総監を務める浩瀚氏が環球網科技チャンネルに語ったところによると、物流業には大量の代金引換業務が存在している。これまでは現金が中心であり、携帯にも不便で、偽札や代金不足のリスク、さらには現金持ち逃げの可能性もあった。支付宝が中小物流企業に向けて開放する能力のうち、「当面付」(対面支払い)やアプリ支払い、即時振替インターフェイス、店舗スピード払い戻しなどの機能は、中小物流企業の代金受け取りから資金清算までの問題の解決を助け、資金の使用效率と安全性を高めるものとなる。菜鳥は、分割アカウント体系を通じて、プラットフォームの店舗とのリアルタイムでの決済・払い戻しを完了し、帳簿の照合を人間が行った場合の財務コストの70%を節約できる。また例えば、宅配便で「店舗スピード払い戻し」の機能を使えば、もともと取引後2日までかかった払い戻しの時間を1秒に短縮できる。これは上流のネット通販業者の好評を呼んでいる。
支付宝や菜鳥裹裹などのアプリを通じて、菜鳥網絡は、物流企業に輸送能力のプラットフォームを開放する。菜鳥の無線配送業務を例に取ると、スマート配置やサービスリンク保障などを通じて、物流業従事者の奨励やより良い消費者体験を実現した。
このほか加盟型の物流企業の場合、加盟するドライバーは、トラックを自分で用意し、ガソリン代や通行料などの費用を立て替えなければならず、資金回転に対する需要が比較的大きい。アントファイナンシャルが発起設立した網商銀行は、便利な金融サービスを提供する。
このほか物流業では現場従業員の交通リスクが比較的高く、物流企業の一部は保険を導入し始め、従業員に保障を提供すると同時に、企業の運営リスクの引き下げをはかっている。オンラインフードデリバリープラットフォーム「餓了麼(Eleme)」とアントファイナンシャルは保険会社と共同で、「餓了麼」の二輪ドライバーのための特別仕立ての保障計画を作成し、100万人ものデリバリーの二輪ドライバーに対し保険サービスを全面的に開放した。ドライバーは、日または月を単位に保険に加入することができ、毎日注文を受ける過程で自動で購入することができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月18日