フランスメディアが上海のキャッシュレス化を報じている。「いらっしゃいませ。会員カードはお持ちですか? 5元以上のお買い上げでヨーグルトをプレゼントさせていただきます……」。こんな面倒な店員とのやり取りは、上海のファミリーマートでは見られない。スマホ決済が広まったからだ。客は小銭を探す必要はないし、列に並ぶ必要もない。一方、店員は「商品のバーコードをスキャンする」、「スマホのQRコードをスキャンする」という2つの動作をするだけでいい。そして客はただちに買い物の支出総額の表示を受け取る。
仏紙「ルモンド」は9月6日、「中国、スマホ決済が現金を消滅させる」と題する記事を掲載した。ファミリーマートのこうした決済方式は、人口2500万人の大都市において珍しいことではない。中国では辺鄙な街、たとえば青海省やチベット自治区ですら、ウイチャットの電子マネーやアリババのアリペイで決済ができる。2013年、スマホを通じたネット決済やデパートでの決済はわずか1830億ドルだった。3年後の2016年、それが5兆5000億ドルに膨らんだ。
上海の中心部にある徐滙区では、店舗での営業収入の半分から3分の2がスマホ決済となっている。大都市の政府もスマホ決済に切り替え始めている。上海では、水道代や電気代、病院の治療費もスマホ決済が可能だ。一部の警察では、違反者がスマホで罰金を納めることが可能になった。タクシーに乗る際、「スマホ決済はできない」と言う運転手を見ることは本当にまれだ。