地場部品サプライヤーの稼働停止により、自動車300万台の生産に影響が及び、3000億元の損失が生じる?ドイツの自動車部品メーカー、シェフラーの緊急支援を求める書簡が注目を集めている。上海浦東新区環境保護部門はこれについて「外資系企業がサプライヤーを選択する場合、環境保護法を遵守しているかを検討しなければならない。政府は環境違法企業に絶対に譲歩しない」と回答した。
シェフラー投資(中国)有限公司(以下、シェフラー)は18日夜、緊急支援を求める書簡を発表した。上海浦東新区川沙鎮政府が環境保護を目的に、同社にとって唯一のクイルサプライヤーである上海界竜金属拉絲有限公司(以下、界竜公司)の工場に対して、今月10日より「停電・稼働停止、関連生産設備の撤去」といった措置を講じたという情報を、11日に書面で通達されたというのだ。
シェフラーの関連取引先を対象とする調査によると、クイルの欠品により19日より、完成車49工場の200車種以上が全面的に生産停止となっている。また「これにより理論上、中国の自動車生産台数が300万台以上も減り、3000億元の経済損失が生じる。これは非常事態だ」という。
「自動車300万台」「3000億元」という数字は、直ちにネット上で注目を集めた。さらには「環境保護が実体経済を損ねる」という声も上がった。シェフラーは書簡の中で「環境保護法に違反しないことを前提に、界竜公司に原材料供給を3カ月継続させることで、サプライヤー変更の準備時間を確保することを関連部門に求める」と表明した。
界竜公司の具体的な事業内容には酸洗・リン化が含まれるが、環境審査の手続きを踏まえていなかった。昨年12月の中央環境保護監督調査期間中、同社は環境保護違法建設プロジェクトの「淘汰・稼働停止類」に指定された。地方政府の関連部門は昨年12月と今年3月の2回に渡り、企業に生産停止を通達していた。川沙新鎮は今年9月4日、企業に直ちに生産を停止し、協力しなければ「断水・停電」の措置を講じると書面で通達した。界竜公司はすでに稼働停止し、自ら生産用の電源を遮断している。
浦東新区環境保護・市容衛生管理局は20日夜「この9カ月もの期間に渡り、界竜公司にはシェフラーと意思疎通し生産を調整する十分な時間があり、相手側に急な出来事と思わせ受動的にさせるまでもなかったはずだ。ドイツ企業のシェフラーはサプライヤーを選択する際に、その合法性及び中国の環境保護法の遵守を検討するべきだ」と回答した。
シェフラーは微博(中国版ツイッター)公式アカウントで、「サプライチェーンの問題を処理するよう全世界の資源を動員しており、完成車の生産への影響をコントロールできる状態だ」と投稿した。
浦東新区環境保護部門は「中央環境保護監督調査が進むなか、中国で生産を行う企業は環境保護法を遵守しなければならない。地方政府も中央環境保護法を実行に移し、環境違法企業に対して生産停止を敢行し、絶対に譲歩してはならない。産業のアップグレードと企業のモデルチェンジをさらに促し、『緑の水と青い山』を取り戻そうとする人々の期待に応えなければならない」と表明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月21日