中国の高速鉄道は5年間に渡り急成長した。2016年末現在、中国の高速鉄道営業距離は2万2000キロを超え、2012年末比で1.4倍増となり、世界一をキープしている。
パンダ、キンシコウ、トキ、ターキンなど国家一級保護動物と調和的に共存
橋をかけ、トンネルを掘る
西安市と成都市を結ぶ西成高速鉄道が9月末、開通に向け正式にカウントダウンに入った。ところがこの全長643キロの高速鉄道は9年前に、フィジビリティスタディ報告書が提出された時点で世界から注目されていた。
困難極まりない施工のほか、西成高速鉄道の生態保護が注目を集めた。初の秦嶺山脈を貫く高速鉄道である西成高速鉄道は、陝西天華山国家級自然保護区、陝西観音山国家級自然保護区、漢中トキ国家級自然保護区、菜子坪ジャイアントパンダ回廊帯など、多くの生態敏感エリアを通過する。
西成客専陝西公司西成指揮部の王振波指揮長は「これは中国最大の自然保護区を貫く、現代的な高速鉄道だ。いかにパンダ、キンシコウ、トキ、ターキンなどの国家一級保護動物と調和的に共存するかは、チャレンジ精神に富む生態の課題だ。我々は深くトンネルを掘り、高架橋をかけるといった技術革新により、保護区への影響を最大限に減らすしかなかった」と話した。