市場調査会社ニールセンと阿里研究院は12日、中国初の「宅配便最後の100メートルサービスすう勢報告書」を発表した。報告書によると、宅配便受取代行は消費者の確かな需要になっており、成長の流れを維持している。消費者の需要に基づき、シェアリング、多元的な最後の100メートル配送形式が、業界のトレンドになっている。
宅配便の年間取扱量が近年、急速に増加している。2016年は全国で313億件だったが、2020年には700億件を突破する見通しだ。しかし宅配員の人数が伸び悩み、最後の100メートルが大きな圧力に直面している。今年の「ダブル11」(11月11日、中国の「独身の日」)期間中、全業界の宅配便取扱量が過去最大の10億件以上に達する見通しだ。
小包が増えると同時に、受け取りの問題も増えている。家に人がいない、マンション内の通路に隠すのは危険で不便、家の具体的な住所を他人に知られたくない、配達される回数が多すぎる、高齢者や子供の休息の邪魔になるといった悩みにより、消費者はより便利な受け取り方法を模索している。
データによると、利用者の74%が受取代行サービスを利用しており、主流の受け取り方法の一つになっている。利用者の多くが便利と感じており、今後も使用を続ける意欲を示している。うち都市部の若い夫婦、プチセレブ、ホワイトカラーから最も好評を博している。家にいない場合が多い、家で待っていられない、より自由に時間を使いたいといった原因がある。
阿里研究院の楊健副院長によると、2016年の宅配便利用者数は延べ600億人以上で、各種主要交通ツールの乗客数の合計の3倍に当たる。2020年には1500億人以上に達し、全国都市部公共交通乗客数の合計を上回り、利用者数が最多の実体末端ネットワークになる見通しだ。
楊副院長は「現在、最後の100メートルのコストが、全ネットワークの5割以上を占めている。1日平均1億件から10億件へと増え、物流チェーンの末端の革新が不可避になっている。自宅までの配送、受取代行、時間帯指定などの多元的なサービス構造は、最後の100メートルの効率を上げ、消費者の体験を改善する主な取り組みだ」と話した。
ニールセンの専門家は、受取代行サービスと運営の専門化を、主な発展方向としている。統一的なサービス基準を構築し業界内のマニュアルを形成し、スマート技術の導入で受取代行サービスの効率を高めることで、多くの消費者が便利な受取代行サービスを利用できるようにする。また受取代行サービスの内容を豊富にし、クール便、貴重品の受取代行、定時配送といった個性的なサービスも未来の需要になる。また受取代行エリアの地理的な利便性を活かし、生活関連の付加価値サービスを広げることが、潜在的な発展のチャンスになるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月13日