国際航空運送協会(IATA)は26日、世界の航空旅客数は2036年時点で78億人と、2017年の40億人から倍近く増えるとの予測を発表した。航空需要が最も伸びるのはアジア・太平洋地域だとしている。
中でも注目すべきは、2022年ごろに中国が米国を抜いて、世界最大の航空市場になると予測した点だ。IATAが年初に発表した予測を2年前倒しする形となった。
IATAのアレクサンドル・ドゥ・ジュニアック事務総長兼CEO(最高経営責任者)は、「いずれの指標からも、世界の航空旅客需要は増加基調を維持していることがうかがえる。我々は向こう20年間で旅客数が倍増することを前提に備えておく必要がある」と指摘した。
将来的に航空業界の成長の軸足はアジア・太平洋地域に移り、途上国市場が焦点になる見通しだという。IATAは足元で中国の航空旅客需要が急速に伸びている一方、最大市場である米国の需要が鈍化しているとして、2022年ごろに米中の市場規模が逆転するとの見通しを示した。