CNBCの27日の報道によると、Paypal創業者のピーター・ティール(Peter Thiel)氏はこのほど、大型の科学技術企業の成長をシリコンバレーが独占する時代はもう終わったと指摘した。
ティール氏は、サウジアラビアの首都リヤドで行われた会議「Future Investment Initiative」で、「ここ20年の間、私は、創業者と投資者としてシリコンバレーの科学技術分野に投資してきた。過去10年から15年は、米国と世界全体のIT技術がシリコンバレーに集中した。それにはさまざまな原因があると考えるが、問題は、
『今後10年の成長源はどこになるか』ということだ。私は、シリコンバレーがより多元化することからそれは始まると考えている」と語った。
カリフォルニア州の限られた地域に世界の科学技術企業が密集しているということが、この産業の特殊性となってきた。ティール氏は、「シリコンバレーには多くの矛盾が存在する。IT企業はグローバルなものだからだ。これらの企業はどこにでもオフィスを設けることができる。必要なのは才能のある人、資本、正しい経営構造だけだ。そのためこれらのハイテク企業がなぜ特定の場所にオフィスを設けているのかということは、とても不思議な問題となってきた」と指摘する。
ティール氏によると、成功した科学技術企業はこれまで、シリコンバレーにほとんど独占されてきた。その大きな原因は、創業の知識と指導者がここに集中していたことだ。「この問題の答えは、ネットワーク効果と知識、ロールモデルにかかわっている。だが私は、シリコンバレー以外の場所にも大きなチャンスがあると考えている」
カリフォルニア州のベンチャーキャピタルの取引企業数は依然として世界トップに君臨する。全米ベンチャーキャピタル協会とPitchBookの発表した最新データによると、2017年第3四半期にはカリフォルニア州で、580社の企業がベンチャー投資を受けている。ニューヨークのベンチャーキャピタルの取引企業数は2位の188社で、カリフォルニア州の32%だった。
だがティール氏は、これから大型の技術取引を考える時には、世界全体を対象として考慮することになると語る。「ここ数年、シリコンバレー以外で最も注目されている場所は中国だ。中国ではすでに、多くの注目すべき企業が出現している。(シリコンバレーのような)場所がほかに一つだけあるというわけではない。具体的な都市や国を指すものでもない。だが私は、総体的に言って、シリコンバレー以外にもチャンスはたくさんあると考えている」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月27日