世界につながる中枢港を建設
英ロイドレジスターが発表した世界港湾トップ100ランキング2016の、世界コンテナ取扱量トップ10を見ると、「粤港澳(広東・香港・マカオ)大湾区」が3港を占めていることが分かる。うち深セン港が3位、香港港が5位、広州港が7位。
最新の計画によると、広東省は広州港及び深セン港を国際中枢港にし、東莞港、珠海港など周辺港湾の発展をけん引することになる。香港とマカオを結び、西江とつながり、汎珠江デルタに貢献する世界クラスの港湾群を形成する。
広州港務局の袁越副局長は「広州港は汎珠江デルタ経済区の海外進出ルート、中国で最も重要な対外貿易口岸の一つだ。広州港南沙港区には現在、10-15万トン級のコンテナ停泊地が16カ所あり、世界最大のコンテナ船の停泊作業の需要を満たすことができる」と話した。
広州港は今年9月中旬現在、世界41港と友好港協力関係を構築している。コンテナ船の航路を195本開設し、華南地区アフリカ航路の中枢港になっており、さらに欧州に向かう海運・鉄道連帯運輸ルートになっている。マースク、CMA CGM、MSCなど世界トップ21の開運会社が広州港で事業展開している。
各自の強み
広州港務局の黄波副局長は「広州港は近年、広州国際海運センター、国際海運中枢の建設を推進している。臨港産業集約、南沙国際定期船埠頭、南沙港区国際共用埠頭などの重点海運中枢インフラの整備を強化している。2020年の貨物取扱量は6億トンに、コンテナ取扱量は2500万TEUになる見通しだ」と述べた。
4年連続で世界コンテナ取扱量3位を維持している深セン港は、2016年に取扱量が2397万9000TEUに達した。その代表格である塩田港は現在、18カ所の大型深水停泊地を持ち、世界の40社弱の大型海運企業と緊密に協力している。毎週約90本の航路を提供し、世界の各主要港とつながっている。統計データによると、広東省の海外貿易コンテナ貨物の約3割が、塩田国際コンテナ埠頭を出入りしている。
珠海港も負けてはいない。珠海港は近年、航路を増設し、国際航路を計27本開設した。主に日本やシンガポールなどの国と地域を網羅している。
香港港は珠江デルタの貨物のコンテナ国際中継事業を中心とし、深セン港は珠江デルタの貨物のコンテナ国際幹線輸送を中心とし、広州港は内陸部コンテナの沿岸輸送を中心としている。3者分業は自然に形成されたもので、サプライチェーン統合による競合を模索できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月13日