中国の混合所有制改革は、国有企業の不明確な市場主体地位や国有経済参入分野広がり過ぎ、効率の低さなどの問題を有効に解決する手段として広く注目されている。今年に入ってからの全体の状況をみると、中央企業の混合所有制改革も加速している。
石油分野のうち、中化集団の董事長を務める寧高寧氏は先ごろ、同社が上場計画を進めており、向こう3-5年以内にすべての事業で混合所有制改革を行い、戦略的投資家を引き込む方針を明らかにした。中海油は、関連プランを検討・策定中で、混合所有制改革を加速し、年内に計画を正式に発表する見通しを示した。中石油は、傘下の中油資本と中油工程の再編上場により、混合所有制改革を実質的に進めている。また、中石油、中海油、海南省傘下企業が共同で参与する海南地区・石油精製品販売企業協力プロジェクトでは、中石油海南銷售有限公司が設立され、改革が大きく進んだ事例となった。
『金聯創』市場アナリストの李楊氏は、国内の石油企業数社について、これまでの原油価格低迷が混合所有制改革に影響を及ぼしていたと指摘。一方、今年は国際原油市場の緩やかな回復や国内の石油企業の利益回復に加え、すでに改革の準備作業と具体的な措置が順調に進められていたため、混合所有制改革の進展を通じて石油・天然ガス産業の改革による恩恵が徐々に表れてくると同時に、石油精製品の市場化改革を後押しするとの見方を示した。