頑丈なデザインと割安な値段により、中国の伝音(Transsion)ホールディングスが今年サムスンを抜き、アフリカで販売台数が最大のスマホメーカーになった。同社は現在、インドに進出している。20日付フィナンシャル・タイムズが伝えた。
テクノロジー研究グループのIDCによると、この本社を深センに置く企業(「Itel」ブランドが有名)は今年上半期、アフリカで携帯電話を5000万台以上販売した。物理的なキーを持つフィーチャーフォンが中心。
これによりアフリカ大陸最大の携帯メーカーとしての地位を固め、さらに1100万台のスマホを販売し競合他社の韓国メーカーを抜いた。
IDCのデータによると、同社の世界携帯電話販売台数は4位で、サムスン、アップル、ファーウェイの次につけている。割安なため売上では世界13位。
コンサルティング会社Counterpoint Researchのデータによると、Itel製携帯電話は2016年の発売以降、インド携帯市場で8%のシェアを占め、3位のブランドになった。同社のTarun Pathakアナリストは「この成功はマーケティングと安価によって収められた」と話した。
伝音は一風変わった道を歩んだ。サハラ以南アフリカで販売網を構築し、現地人の好みに合う低価格携帯を製造した。例えば同社の携帯電話にはSIMカード挿入口が複数あり、カメラソフトも濃い肌の色をキャプチャーしやすいように改善されている。スピーカーは低音を強く出すことができる。
同社の創業者兼CEOの竺兆江氏は「今年のアフリカでの販売台数は1億台を突破し、売上は200億ドル以上に達する見通しだ」と述べ、「アップルやサムスンの製品を購入する高所得者をターゲットにはしていない」と補足した。
竺氏によると、同社は今年1億2000万台の携帯電話を輸出し、輸出量で計算すれば中国最大の携帯電話輸出メーカーになる。同社製品は割安(中には10ドルの製品も)で、利益率は競合他社を下回っている。「ファーウェイの方が高い価値を持つが、数では当社の方が大きい」
IDCの統計データによると、昨年のアフリカでの携帯電話販売台数は約2億1600万台で、うちフィーチャーフォンが57%。
IDCのSimon Bakerアナリストは「伝音は主な競合他社の主力携帯電話に匹敵する機能を持つが、より魅力的な価格を提示しているため成功を収めている。同社にはまた、広く携帯電話を販売するマーケティングを支持できる、ユーザーからの高い評価がある」と指摘した。
「伝音はアフリカで、Itel(元はフィーチャーフォンブランドで、同社の販売台数が最大のブランド)、割高で売上が最大のスマホブランドのTecnoとInfinixを展開している。伝音の携帯電話の販売価格は通常、約100ドルだ」
同社はさらに、南アジア市場にも目を向けている。竺氏は「アフリカからその他の振興市場に進出する。将来的に当社の重点は北アフリカ、インド、中東地区に置かれる」と話した。
竺氏はさらに「インドでは携帯電話を数百万台販売し、今年のアフリカ以外の市場の約2割を占める」と補足した。IDCによると、同ブランドは2016年第4四半期に、インド携帯電話市場で2位につけた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月21日