世界銀行は19日に発表した「中国経済簡報、China economic update」で、2017年の中国経済成長率予想を、10月に発表した6.7%から6.8%に引き上げた。ここ1週間で国際機関が中国経済の成長見通しを上方修正したのは、アジア開発銀行(ADB)に続いてこれが2回目。これにより、国際社会が中国経済の先行きを引き続き楽観視していることが明らかになった。
内外の情勢が複雑に変化するなか、年初より、中国は安定の中で成長を目指す方針を基調に、新発展理念を堅持、供給側の構造改革推進を柱に据え、状況を見ながら、科学的に政策の舵取りを進めたことで、中国経済は世界の注目を集める目覚ましい成果を上げた。
中国の経済成長は当初の目標を上回る見通しだ。2017年1-9月期の中国GDP成長率は6.9%と、年間目標を約0.4ポイント上回った。うち、第3四半期(7-9月)の成長率は6.8%となり、9四半期連続で6.7-6.9%の区間で推移し、成長の安定性が高まった。
雇用は前倒しで年間目標を達成し、物価は安定を維持、国民所得はGDP成長率を上回る伸びとなった。2017年1-11月の都市部新規就業者数は1280万人と、年間目標を前倒しで達成した。消費者物価は前年同期比で1.5%上昇し、抑制目標の3%以内に抑えた。1-9月の国民1人あたり可処分所得は実質7.5%増加し、GDP成長率を0.6ポイント上回る伸びとなった。
輸入・輸出ともに2ケタ成長を維持し、国際収支は基本的に均衡がとれた状況だった。1-11月の中国貨物貿易輸出入額は前年同期比で15.6%増加した。うち、輸出は11.6%増加、輸入は20.9%増加した。11月末の外貨準備は3兆1193億米ドルで、10カ月連続で増加した。