浙江省寧波市は2017年9月、浙江省「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)建設総合試験区の認可を獲得した。国家による「一帯一路」イニシアティブの建設推進の加速を背景として、中国古代の海上シルクロードの「生きた化石」である寧波は今、新たな開放の巨大な発展の可能性を迎えている。
海上シルクロードの「生きた化石」 世界第一の港に
2017年、寧波舟山港のコンテナ取扱量は世界第4位で、増加幅は世界の5大港のトップだった。貨物取扱量は10億トンを突破し、世界一の座を揺るぎなく守った。
古代の海上シルクロードの出発港の一つとして、古代シルクロード史の「生きた化石」とも呼ばれる寧波舟山港は今や、その名にふさわしい世界第一の港となり、「21世紀海上シルクロード」の国際ハブ港となっている。
寧波舟山港股フン有限公司の宮黎明総経理の紹介によると、寧波舟山港はこれまでに、コンテナ航路242本を開き、世界の600以上の港湾とつながり、「一帯一路」航路は80本余りに達し、通年便数は5000便近くとなり、通年のコンテナ取扱量は1000万TEUを越え、通年のコンテナ取扱量の約4割を占めている。
世界と商売 「一帯一路」が「ブルーオーシャン」に
金融危機以来、世界経済は重傷を負い、世界の貿易は低迷と不振に陥っている。とりわけ伝統的な市場の有效需要は不足し、回復は緩慢である。貿易が寒い冬を迎える中、「一帯一路」は、寧波の企業が市場を開拓するための「ブルーオーシャン」となっている。
2017年9月末までに、寧波市で輸出入の実績を持つ企業は1万7701社に達した。これらの対外貿易企業は、「メイド・イン・寧波」の中心的な力であるだけでなく、全国の対外貿易のモデル転換と高度化の風見鶏となっている。
統計によると、2016年、寧波と「一帯一路」沿線国・地域との年間貿易額は248億ドルに達した。今年1月から10月まで寧波の「一帯一路」沿線への輸出額は1044億6千万元で、このうち中東欧諸国への輸出は141億8千万元で、それぞれ前年同期から15.0%と22.7%の伸びとなった。
世界と連携 協力とウィンウィン目指す
「『一帯一路』イニシアティブの核心は協力・ウィンウィンにある。寧波は、地方の発展を望んでいるだけでなく、世界のウィンウィンを望んでいる」。寧波市発展改革委員会の彭朱剛主任によると、寧波は、要素費用の強みが明らかで、市場の潜在力が大きいという「一帯一路」沿線の特性を利用し「共に話し合い、共に建設し、共に分かち合う」を原則とし、海外の経済貿易協力区を積極的に構築し、企業による国際生産能力協力の加速を推進している。
2016年、寧波市は、「一帯一路」沿線国・地域における海外企業31社を設立し、中国側による投資認可額は9億3600万ドルに達した。「一帯一路」沿線国・地域におけるプロジェクト請負売上額は17億7千万ドルで、全市総額に占める割合は87%に達した。2017年10月末までに、寧波が「一帯一路」沿線に設立した海外の企業と機構は584社・機構に達している。
中国—中東欧諸国投資貿易博覧会は3年連続で寧波で開催され、寧波の「中東欧特色館」で通年展示されている特色商品は3000種余りに及んでいる。中東欧諸国16カ国のうち13カ国はここに国家館を設立している。チェコの水晶やポーランドの琥珀、ボヘミア風のクリスタル……これらの異国の贅沢品は、親しみやすい価格で、多くの寧波市民をひきつけている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月2日