米通商代表部(USTR)は現地時間12日、2017年度の知的財産権保護に関する報告書を発表した。タオバオなど3つの中国ECサイト、北京秀水市場など6つの中国オフライン市場を「悪質業者リスト」に指定した。これにより中国企業が同リストに占める割合が20%に達した。
アリババ・グループはこれについて、「当社は再びUSTRの高度な政治化を反映する犠牲者になった。当社は長年に渡り、厳しい知的財産権保護体制を整えており、全世界の権利者の知的財産権を保護できる」と表明した。アリババのチーフ・プラットホーム・ガバナンス・オフィサーを務める鄭俊芳氏は「今や10万以上のブランドが当社が運営する各ECサイトに進出しており、世界で最も商業的価値のある消費ブランドの75%を網羅している。これらの業者が間違った判断・選択をしたというのだろうか」と反論した。
鄭氏は「当社は昨年、知的財産権の保護でかつてない成果を手にした。2017年通年で、当社が自ら削除した権利侵害の疑いのあるリンクのうち、97%が直ちに削除された。タオバオの権利侵害の疑いのある24万店舗が閉鎖された」と説明した。
USTRはこれについて、アリババのデータは偽造品販売問題の範囲と現状を直接反映しておらず、その知的財産権保護キャンペーンに進展があったことをほのめかしたに過ぎないと表明した。多くの権利侵害商品が依然としてタオバオで販売されていると批判し、かつ偽造品撲滅で「中小企業ではなく、国際ブランドに協力するためだけのようだ」と称した。
13日付ロイター通信は「タオバオは直接的な懲罰を受けていないが、米国側が悪質業者リストに指定したことで、同社による偽造品撲滅の努力が否定された」と論じた。
中国企業が「政治の犠牲者」になるのは、これが初めてではない。今年に入り、アリババ傘下のアントフィナンシャルは、米送金サービス企業「マネーグラム」の買収に失敗した。米国政府は先週、ファーウェイとAT&Tが事業提携し、米国市場で前者の携帯電話を販売する契約に最後の最後というところでストップをかけた。
中国商務部の高峰報道官は11日、この2つの件について言及した際に「関連中国企業が米国で正常な商業性投資・M&Aを展開しながら、いわゆる国家安全の原因により再び妨げられるのを遺憾ながら目にした。また米国国内で保護貿易政策の声が強まり、時にはその声が有利になっていることに留意している」と述べた。
上海漢盛弁護士事務所のシニアパートナーの李旻氏は14日、環球時報の記者に対して「タオバオを悪質業者リストに指定するのは、USTRの保護貿易措置の一環であり、米国の常套手段だ。中国ではECが急成長しており、中国市場を席巻するほか、国際市場にも急速に拡張している。これは米国のECサイトと市場にとって大きな打撃だ。米国には何か根拠がありこのような報告書を発表したかもしれないが、タオバオは偽造品撲滅を毎年強化しており、知的財産権の保護を非常に重視している」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月15日