シンガポール紙「商業時報」は1月11日、「中国人ビジネスマン、母国の発展でシリコンバレーを離脱」と題する記事を掲載した。王翌さんは数年前まで、アメリカンドリームの中で暮らしていた。しかし2011年のある日、妻に中国へ戻りたいことを明かした。大手企業のプロダクトマネジャーの職を探すのにうんざりしていたし、中国での起業に魅力を感じていたからだ。温暖で住みやすいカルフォルニアからスモッグだらけの上海への移住を、妻に説得するのは大変なことだった。しかし現在では、その見返りは文句ないものとなっている。彼の英語教育アプリが昨年7月、1億ドルの融資を得たのだ。彼は、最近増えているシリコンバレー帰りの中国人成功者の一人である。
彼の決意はこれまで見られなかったものであり、フェイスブックやグーグルなどシリコンバレー側の人々にとっては不安になる傾向だ。アメリカで教育を受けた華僑人材は、中国企業のグローバルな成長を推進している。そして彼らは、中国が率先して進めるAIや機械学習など次世代技術の促進にとっても重要な人材である。
中国の大学卒業生はこれまで、海外で働き、外国の国籍を持つことにあこがれてきた。しかし今では、多くの人が国内でキャリアを積むことに興味を持っている。現在の中国はベンチャーキャピタルが多いだけでなく、政府も最先端科学技術に対する支援を大幅に拡大している。