国際ヘッドハンティング会社「スペンサースチュアート」の科学技術産業担当であるケン・チー氏は、「中国へ帰国する人材が増えている。というのも中国はイノベーション分野での発展が非常に速いからだ。今は始まりに過ぎない」と述べる。アメリカのIT大手で働くことは、これ以上ない光栄なことだった。しかし現在では、ネット系やメディア系など多くの中国大手企業の評判が高まっている。中国のベンチャーキャピタルはアメリカに比肩するもので、世界で最も価値のあるスタートアップ企業5社のうち3社が、カリフォルニアではなく北京を本社にしている。
全ての人がシリコンバレーを離れるわけではない。そのため、潜在的に帰国する可能性のある人々を探し出してリクルートする動きも活発だ。北京のためにカルフォルニアを捨てるのも簡単ではない。しかし中国のIT大手には3つの強みがある。昇給速度の速さ、チャンス、帰属感だ。報酬から見ると、中国ネット産業は今、最盛期にある。彼らが提供する報酬は、アメリカの同業のそれと比べものにならない金額だ。
そしてチャンスがある。アメリカの快適な暮らしを手放したくないエンジニアに対し、中国企業がアクセスしている。アリババやテンセント、百度などの中国企業はすでに、シリコンバレーでラボを開設または拡大しているが、中国国内のほうがキャリアのチャンスはさらに多い。シリコンバレーにおいて華人エンジニアの存在感はすでに高いが、最高職位にまで上り詰める機会は少ないと彼らは考えている。業界筋は、「華人エンジニアはシリコンバレーで一定の期間働いた後、急成長する中国企業に加わるほうが得なことに気づいた。グーグルのような企業で働く華人エンジニアはみな、ここに残るべきか帰国するべきかで悩んでいる」と話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月15日