ドイツ連邦銀行(中央銀行)は15日、人民元を外貨準備に組み入れると発表した。仏メディアは同日、フランス中央銀行はすでに外貨準備の一部として人民元を保有していると報じた。
アナリストは、「独仏を含めて益々多くの国が人民元を外貨準備に組み入れている。これは中国の国際的地位向上と人民元の世界での重要性が高まりつつあることを示すものだ」と分析する。
独仏中銀の措置について、中国社会科学院世界経済政治研究所国際金融室の肖立晟・副主任は、「人民元の国際化が大きく進展し、中国の地位が軽視できなくなっていることを示す」との見方を示した。ただし、「これらの国の外貨準備に占める人民元の割合はまだそれほど高くない。人民元国際化のカギは中国企業と銀行の国際化にかかっている」としている。
肖立晟氏は、「人民元はすでに国際通貨基金(IMF)の 特別引出権(SDR)構成通貨に採用されている。すでに準備通貨としての機能を担い始め、多くの国で広く運用されている。フィリピン、アルゼンチンなど多くの新興国もすでに人民元を外貨準備に組み入れている」と語った。
しかし、人民元がこれらの国の外貨準備に占める割合は依然として低く、世界経済全体に占める中国の比率、SDR通貨バスケットでの人民元のウェイトに匹敵するとは言い難い。
肖立晟氏はこれについて、「中国経済の影響力が強まりつつあるものの、人民元の実際の用途がまだ限られており、金融為替取引などでの使用比率が低いことを示す」とみている。
人民元国際化のカギは中国企業と銀行の国際化にある。肖立晟氏は、「実体経済の海外進出と銀行の海外金融事業を推し進めない限り、自国通貨の国際化は難しい」と指摘する。