トランプ政権が中国に対して、急成長する市場を米サプライヤーに開放するよう働きかけたことを受け、中国は初となる米液化天然ガス(LNG)輸入の長期契約を結んだ。米ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が9日、伝えた。
米LNG大手シェニエール・エナジーは9日、中国石油天然気集団(中石油)と2件の輸出契約に署名したと発表した。米メキシコ湾から中国にLNGを輸出する。
契約内容によると、中石油は2043年まで毎年120万トンのLNGを輸入する。うち一部は今年中に船で輸送され、残りは2023年より交付が始まる。
トランプ大統領は米国のLNG輸出を、米国をエネルギー超大国にする計画の重点としている。ウィルバー・ロス米商務長官は昨年5月、米国の対中輸出「加速」の協定を発表した。同協定は既存の規定を変えないが、米国のLNGサプライヤーが中国と取引をしたいというシグナルを送った。
トランプ大統領が昨年11月に訪中した際、米LNG業界の取締役2人が随行していた。これにはシェニエールのジャック・ファスコCEOが含まれていた。トランプ大統領の訪中期間中、シェニエールと中石油はLNG輸出契約の実現に向けた覚書に署名した。