「道を掃くのは風、夜を照らすのは月」これは貴州省恵水県の村民の、貧困者支援対策としての移転前の生活・居住状況だ。
全人代代表、貴州省恵水県新民社区党支部書記の羅応氏はインタビューに応じた際に、次のように話した。羅氏の家はかつて山奥にあり、一番近い道路まで2キロも離れていた。家族は毎日山の井戸で水を汲み、PHSの電波は途切れがちだった。しかも家は落石災害地帯にあり、非常に危険だった。「子供の頃は寝ている時に、岩が転がる音をよく耳にした」
羅氏が最も心配だったのは、子供の通学路の安全問題だ。毎日まだ夜も明けぬうちに子供たちは目を覚まし、お腹をすかせて一時間以上も歩いて通学する。授業が終わるとすぐに急いで帰宅しなければならない。子どもたちは懐中電灯やライターを使い明かりを取るしかない。
貴州省はこの状況を受け、居住に適さない地域で暮らす登録済みの貧困人口130万人を優先的に移転させた。貧困発生率が50%以上の、計50世帯未満の自然村寨の貧困人口と非貧困人口を同時に移転させた。
羅氏は2016年7月に一家及び村人と共に、恵水県経済開発区新民社区の、家具が揃った新居に引っ越した。羅氏は新居に引っ越し後、村民の物的生活と精神状態に大きな変化が生じたことに気づいた。羅氏によると、社区では現在1756世帯が生活している。1−2人の世帯の住居は面積40平方メートルで、1人増えると20平方メートル増える。各世帯の平均1.5人が開発区の企業に勤務し、月給は2000−4000元に達している。一部の世帯はすでに8万元も貯金している。社区内にはマイカーが126台ある。羅氏は「駐車スペースがなく悩みの種になっている」と話した。
生活条件の改善に伴い、社区ではかつての山村のような、「留守老人」と子供しかいないという状況が見られなくなった。出稼ぎに出ていた若者が次々と帰郷し、活気づいている。住宅・通学・仕事の問題は、もはや羅氏の悩みの種ではなくなった。羅氏は現在、同開発区により多くの大企業を誘致し、住民の就職先を広げることを強く願っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月9日