サムスンの携帯電話は2017年に中国エリアで一連の改革を実施したが、市場シェアの低下を止めることはできていない。市場調査機関のStrategy Analyticsが発表した最新統計によると、2017年第4四半期のサムスン携帯電話の中国市場における販売台数はわずか980万台、市場シェアは0.8%に低下した。サムスン携帯電話の四半期販売台数が1000万台を下回ったのは2011年以来初めて。
サムスン電子は2017年に世代交代、構造調整、現地化などの措置をとり、S9シリーズを中国市場における成長の原動力にしたいと考えた。しかし、国産携帯電話とアップルの激しい封じ込めがある中で、サムスンは中国市場で挽回できるのだろうか。
Galaxy S9シリーズはサムスン内部で、2018年の中国市場での大幅成長を実現する原動力とされている。販売台数を伸ばすため、S9の価格設定は高くない。S9シリーズは5799元からで。S8シリーズの発売時の価格より100元高いだけである。S9シリーズの目標は、サムスンの2018年中国市場におけるプラス成長の原動力にすること。
しかし、IDCの上級アナリストの景渓氏は、反応を見るとS9シリーズの販売台数は予想を下回るが、サムスン携帯電話の中国市場での業績は牽引的な役割を担っているとの見解を示した。景渓氏は、「サムスン携帯電話は中国市場において主にNote8とS8シリーズに支えられている。2018年初め、サムスンはS8シリーズの価格を調整し、最低価格を4999元にした。しかし、Note7のマイナス報道などの影響により、サムスンのブランドイメージは深刻なダメージを受けた。サムスン携帯電話の中国での製品ラインは非常に少なく、ハイエンドモデルはNoteとSシリーズだけだ」と話した。
しかし、サムスンもミドルレンジ携帯電話市場をあきらめようとは思っていない。今年3月、S9シリーズ中国エリア発表会に出席したサムスン携帯電話責任者の高東真氏は、3000~4000元のミドルレンジ市場も諦めてはならず、商品を発表する方針を示した。また、新興市場には強い成長の潜在力があると話した。
4月11日に伝えられたところによると、製造、販売、販売受諾などの方法による華為(ファーウェイ)の特許権侵害行為を直ちにやめるようサムスンに言い渡された。判決によると、サムスンは22モデルが販売禁止になったほか、華為に8000万元の経済損失を賠償する必要がある。
サムスンと華為の特許訴訟は中国携帯電話市場の激しい競争にも影響した。Strategy Analyticsの統計によると、2017年第4四半期、サムスン携帯電話は中国市場で12位だった。利益追求が売り上げ低下につながり、通信事業者のチャネル萎縮はサムスン携帯電話の中国市場での売り上げにある程度の影響絵お及ぼした。
グローバル市場を見ると、サムスンはアップルと中国メーカーに封じ込められている。
今年3月、高東真氏は取材に対して中国市場の変革について「急がば回れ」と述べたが、競争の激しい中国市場でサムスンにどれほどの時間が残されているのだろうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年4月22日