欧州連合(EU)はこのほど、米国の鉄鋼・アルミニウム輸入関税を巡り中国が世界貿易機関(WTO)に提訴した問題で、WTOに紛争解決協議への参加を要請した。
EUはWTOに提出した文書で「米国の関税措置はEUの鉄鋼・アルミニウム製品の販売と輸出に大きな影響を与える可能性があり、協議の結果もEUの主要貿易の利益に関わる」として協議への参加を要請した。
紛争解決手続きには、中国香港、インド、ロシア、タイも参加を要請している。EUは、米鉄鋼・アルミ輸入関税の適用を免除されてきた国の中で初めて紛争解決手続きへの参加を要請したことになる。
EUはまた文書の中で「米国がEUに対する鉄鋼・アルミ輸入関税の免除期間を延長しなければ、その関税政策はEUの輸出に甚大な損害をもたらすことになる」と指摘した。
2017年のEUの対米輸出規模から見ると、EUは鉄鋼製品の最大の輸出元、アルミニウムは第5位の輸出元となっている。米国がEUの鉄鋼・アルミニウム製品に課す関税は、鉄鋼が53億ユーロ、アルミが11億1000万ユーロとなる見通しだ。